She and I・・・
せっかく上京したのだから、こっちの普通の家というものも見ておいたらいい。

と先輩は言っていたが、都心から一時間ほど電車に乗る郊外に先輩の家はあった。

車窓からの景色に緑が多くなってきた。

首都圏のなかにあっても、田舎のような景色はあるのだと驚いた。

大学とアパートの周辺しか知らなかった僕は、それがわかっただけでも来て良かったと思い始めていた。

先輩から聞いていた最寄りの駅でおりる。

駅のまわりはさすがに故郷よりはにぎわっていた。

待ち合わせの時間にはまだ少し時間があった。

その時、携帯電話が鳴った。

先輩からだ。

< 7 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop