満月のはなし
満月のはなし
ふと寒気を感じて目が覚める。

――ああ、窓開けたままだったかな?

枕元の時計を見ればまだ太陽は遠い時間。
揺れるカーテンに誘われてベランダに出てみれば、今宵は月が満ちている。

――綺麗な月。夜の匂いはとても落ちつく。

酷くだるい体が数時間前の甘い時間を呼び覚ます。慣れたはずの気だるさに軽く照れてながら、ぼんやり月を眺めていた。
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