スーツを着た王子様

王子様はあなただけ




「おいおい、ガキ。

何人の女に手、出そうとしてんだ?」


「創平さん!」


振り向くと、両手にたこ焼きを持った創平さん。

そのたこ焼きをそっと地面に置いて、空いた手で私を掴む河合くんの腕を掴み上げる。


「あ、あんたが…?」


「あ?俺が、桃の彼氏。

何か文句でも?」



創平さんを見つめたまま、すっかり黙り込んでしまった河合くん。


もしかしたら

漫画やドラマでよくある殴り合いでも始まるかも…!

って、最悪の想像をしてた私はちょっと拍子抜け。



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