臆病なサイモン
『サイモンは、サイモンのまんまでいいんじゃない』
通算、いっこにこさんこよんこごこ、数え切れないほど、ダンゴは俺を助けてくれてる。
だから、なにかしたいんだ。
ダンゴに、心の底から、「ありがとう」って言って欲しい。
…なのに、俺みたいな情けないやつがダンゴの為になにができるのか、って心配になる。
実はなんにもできなかったりして。
考えると、ほんと、絶望的。
必死になって考えた時、最終地点は、「パピコ」だった。
―――やっぱパピコ、奢るしかないとか?
(いやコレ、ただのヒモ……?)
俺の器の小ささが、露見された瞬間だったのかもしれない。
「あついね」
その時、俺の考えを見透かしたように、ダンゴが口を開いた。
「…パピコ吸いたい」
うぃ、先輩。
オイラ、パピコ買ってくるッス!
あ、もち奢りッス!
「なんで奢り?」
自分、先輩にはお世話なってるッスから!
「サイモンさんサイコー」
ダンゴが珍しく、ちょっとだけ笑った。
…うんまぁ、今はパピコ係でいいかもしれない。
な、ブラザー?