臆病なサイモン

…それを、なに言ってんだ、コイツ？





「聞きたいか？」

「段このえ」とはクラスメイトだということ以外、一切関係はない、という俺の態度が効いたのか。

ホンダはぴくぴくひきつる目尻を厭らしく釣り上げて、そう問いかけてきた。


なにが楽しいんだよ。



(俺がホンダの口からそんなこと聞いたって解ったら…)

ダンゴは、俺を軽蔑するかも。

かもじゃねー。

確実に軽蔑される。

嫌われてバイバイして、終わり。

はいこんにちは、バッドエンドー。



(…でも、このままいっても、ダンゴは「見せて」くれないかもしれない)


けれど俺が答えを出す前に、ホンダが口を開いた。



「…地元で苛められてたんだぜ、アイツ」

そう自慢げに話ながら、ふふ、と笑った仕種が、なんかもう、サブイボ。

中に病とかもう関係ないわ。

「人」として怖くて付き合えない。

セーフ？

いや、アウトだろ。