カズキ番外編~高広
真っ暗な海沿いを

高広はひたすら自転車で、私を乗せて走りつづける。





何処まで続くのだろう…




暗闇の中、月明かりを頼りにひたすら走り込む。





とても寒くて…

とても寒くて…





高広の背中越しから伝わる暖かさだけが、今の私には頼りだった。




あの時の高広は、


ただ帰りたくて…






あの街が恋しくて…








この生活から逃れたくて…













ただそれだけしか…









考えていなくて…




< 8 / 10 >

この作品をシェア

pagetop