さうす・りばてぃー

一話二節 学校始まる

 次の日、八時に目が覚めた俺は、とるものもとりあえず、急いで制服に着替え、家を飛び出した。もちろん朝食は抜きだ。

 八時三十分の電車に飛び乗ったとき、俺のシャツには汗がべっとりとついていた。

 入学式は九時からだ。電車で15分、駅から学校が10分。

 なんとか間に合いそうだ。危ないところだった。

 学校についた俺は、そのまま講堂に入った。入学式は講堂で行われると、入学案内に書いてあった。

 他の生徒たちのように、ゆっくり校舎を見て回る暇はなかった。当然、クラスの発表も見ていない。

 90分が経過した。理事長をはじめとするお偉い方々の挨拶を適当に聞き流し、無事入学式が終わった。
 最後に壇上に立った先生が、それぞれのクラスに入るように告げていた。

 校門近くの掲示板に、そのクラス発表があるらしい。俺は早速それを見に行った。

 1年B組と書いてある中に、俺の名前はあった。一番最初に名前があったので、できのいい順かと思ったが、残念ながら出席番号順のようだ。

 ついでに、他に知ってる名前がないか、探してゆく。

 1年生全体で5クラスがある。俺のB組には、昨日会った仁科見由の名前があった。

 どうやら冗談ではなく、本当に高校生のようだ。

 片山達也と品川穂波は、隣のA組だった。そのほかには、どうやら知っている名前はいない。

 わざわざ一人暮らしを選んでまで来るのは、それくらいしかいないということだろう。
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