ヤクザと執事と私 1

第2節:真壁純の後始末



車が到着した先は、昨日行ったBarだった。


「ここ・・・ですか?」


私は、隣の執事を見る。


「いえ、本当の目的地は、ここではありませんが、まだ取引には時間がありますので、とりあえず、先にここの問題を片付けておくのですよ。」


執事は、そう言って、私に車の外に出るようにうながす。


私は、車から降りると、私の乗ってきた車の前の車からは、真木ヒナタと組長と、そして、私とタイマンした暴走族総長の真壁純が降りてきた。


真壁純は、昨日の夜とは違い、特攻服ではなく、普通の服を着ている。


その表情は、かなり暗い顔をしていた。


(当たり前だよね・・・私ももし、この状況におかれたら、怖くてしかたないよ・・・)


私は、真壁純に同情した。


「小夜さん、入りますよ。」


真壁純を見つめていた私に執事が声をかける。


「あっ、はい。」


私は、すぐに返事をして執事の後をついて荒れたBarの中に入っていった。


< 214 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop