SECRET&LIMIT-王子×凡人-





「嘘じゃ…ないもん。」


アタシは下を向いて流稀の顔を見ないようにした。


見るともっとアタシの心の中を見透かされそうだったから。




だけど、流稀は意地悪で


「嘘じゃないなら、俺の顔を見ろ」



なんて言う。


そんなの無理…




見たら本当のことを言わざるを得ないような気がして。



「や、やだ。」


「なんでだよ?」


「……る、…」


「ん?何??ハッキリ言わねーと聞こえねー。」





どうして、流稀はこんなにも意地悪なの。


そんな貴方をアタシは…




「…流稀なんて嫌い!!!!」


パッと顔を上げて流稀をギッと1度だけ見つめて、学校方面へと走り去った。




1度だけ見た流稀の顔。


目の前には流稀の綺麗に整っている顔とブラウンの瞳。




アタシはきっと頬や鼻が真っ赤になって頬を伝っている雫がキラリと光っただろう。

兄や本当の友達以外には見せたことの無い顔だった。




誰にも見られたくない顔。


貴方にもう、会いたくない…




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