魑魅魍魎の菊



何故菊花がこんなものを持ち歩いているのか、正影は薄々勘付いてしまった。——…言われなくても、その左腕が不自由になっていることぐらい…見ていればわかる。


未だに取れていない、包帯と肩から肘にかけるサポーター…。湿布なんて気休めだろうが、無いよりはマシなんだろうな。




「さてさて、改めて自己紹介をしようか?私は二年の高村菊花!












——《魑魅魍魎の主》しております♪」





固まる井上君。





「へっ……?」





「玖珂正影、現役の《陰陽師》をやっている」




「えっ…?」




口がぽかんと開く井上。




「萩原龍星、まぁ……俗にいう《霊能力者》って奴か?」




「え、えぇぇえええええ!!??」



石化する井上の叫び声は学校中に広がったのはいうまでもない。



 
< 205 / 401 >

この作品をシェア

pagetop