魑魅魍魎の菊



夕日に照らされるあの男は"妖怪"なのか?

黄昏の中で私はその真意を見出せることが出来ないのだ。誰が誰だか解らない時間。


その狭間で私は——









「——今日の目的はお前じゃないから、話してはおこう。お前——










あらゆる影を操れるだろう」




——私は生きられるのか。




互いに伸びる影。だが、私は微動だにしない。まるで人形みたいに動けない。

相手に戦意がないのなら、穏便に事を進めることに越した事はないのだ。







「"狂気"にも似たその殺気。——あまり放出をすれば、自滅する」




人生の残りの2割は一時のテンションに身を任せて自滅すると言ったが訂正をしよう。



思いがけないハプニングによって自滅する、だ。





「私が自滅しようがドラマ見ようが関係ないでしょう」

「確かに関係ねぇーよ。つかそこまでプライベートな事聞いてないし」



 
< 21 / 401 >

この作品をシェア

pagetop