魑魅魍魎の菊



『"大槻"も


















——怨霊"だった"んだ』





どうして過去?それとも神様になったら「怨霊」じゃなくなったのかしたら。
そんな当然の疑問を抱いた。

ママから聞いたけれど、あそこは「厄払い」で有名な神社だって。それに、そんな近くに怨霊が神様になっちゃった神社があるとわ…。




『大槻は愛した"人"と引き換えに神になったんだ』






それは一体どんな、悲しみと苦しみと快楽なのか。

首を締め付けるほどの?


その時の菊花の瞳は狂気に満ちていただなんて、麗しい少女は気がつかなかった。




(あぁ、悪を滅ぼす礎となろう)

そう願ったのは、いつからだろう。


そんなことをしてしまえば、自分は用無しのお払い箱。
それだけは避けなくてはならない。


「強迫観念」に囚われても、きっと私は——…




瞬いた時に、いざ煌めきを。



 
< 285 / 401 >

この作品をシェア

pagetop