☆★心風★☆
人混みから抜け出した私たちは、ガヤガヤとした賑やかさが聞こえなくなるぐらいまで歩いていった。



辺りはもう、すっかり暗くなっていた。



するといきなり鴻上くんが足を止めた。



つられて私も、足を止めた。



「……なぁ」



ドキンッと胸が跳ね上がる。



鴻上くんの声、いつもより低い……。



「な、なに?」



動揺した気持ちを隠すように返事をした。



「楽しくないならさ…楽しくないって言っていいんだぜ?」


「……え?」

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