二千年の恋・平安編
【第五話】 橘の宮と天皇
どこの誰が言い始めた話かわかりません。

新しい噂が都に流れました。

「巫女と会うと自分の望みがかなう、思い通りの人生になる!」

都中の人々が、巫女の姿を一目見ようと神殿に押しかけるようになったのです。

そして、誰も巫女に会うことはできませんでした。

やがて、噂の真偽を確かめようと、ときの天皇みずからが橘の宮の屋敷にお出かけになられました。

家柄の高い橘の宮といえども、天皇のご訪問を断ることはできません。

真相を尋ねられた橘の宮は、次のように天皇に奏上しました。

「その噂は本当
 でも~マジ、
 行かないほうがいいッスよ
 その巫女、超ヤバス♪」

(つづく)


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