巡る巡る




「蘭!
ファンサービスも大概にして、この後俺らで打ち上げ行くって話なんだけど……」


後輩と写真を撮って、
カメラから目を離すと
自然と向くのは相沢の方。


楽しそうに笑っている彼女を、目を細めて見つめていた俺に、友達とじゃれていた孝太が不意に声をかけた。


「…あ、打ち上げ?
行く行く!やっぱカラオケ?」


パッと笑顔を作って孝太に言った。


「………。」


すると、
俺の顔を見て
ジトッとした視線を送ってくる孝太。


「…あ?なんだよ。
カラオケ、パスなわけ?」


居心地の悪い視線に眉を寄せてそう言うと、
その元凶にあからさまなため息をつかれた。

そして
クルっと後ろを振り返ってこう言った。



「……おーい。
蘭は打ち上げパスだって~。」

「…ちょっ、はぁ!?
いや、俺行くって!」


意味分かんねーし!
そう思って
後ろを向いてる孝太に詰め寄った。






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