刹那の憂い(セツナのウレい)

嫌な乱入

外はいい天気だった。

明るく暖かい日の光。

そいつがカラダに入り込む。

眠さが、
深いダルさに代わってゆく。

軽快な足音が、

あたしを追い抜いてゆく。

と、

「あ、成元(ナリモト)さん」

あたしは驚いて、

そっちを見た。

成元とは、

今更初登場の、

あたしの苗字だ。

今向かっている喫茶店の、

バイトくんがそこにいた。

長身の、確か大学生だっけ。

名前は・・・矢崎。

「遅刻するよ」

明るく、軽く、笑ってる。

あたしは、彼がちょっと苦手だ。

< 110 / 203 >

この作品をシェア

pagetop