刹那の憂い(セツナのウレい)


「ねえ、あんた。」

マンションに入ろうとして、急に声をかけられた。

背の高い、二十歳くらいの男の子。

あたしは、足を止めた。


「あんた、刹那の、何?」


刹那、という名前に、驚いて、彼を見た。

「何って?同じマンションにすんでることしか接点ないけど?」
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