血まみれピエロ
「私は今度、大きな国へお嫁に行くの。その方の姿は、絵だけでしか見たことがないわ」

楽しそうな笑みを浮かべて、姫君は話します。
しかし、どこか寂しそうな様子でした。


「……で、この旅人風情にどのようなご用件でしょうか?」


青年は首を傾げて、姫君に問いかけました。


「私、この国では自由に城を抜け出せたけど……お嫁に行けば一生籠の鳥。だから、ピエロさんにお願いがあるの」



姫君は、青年の耳元に口を近づけ囁きました。


その時、青年の心臓が跳ね上がるように動きます。


幸い、顔が赤くならなかったのは化粧のおかげでしょうねぇ。
< 15 / 15 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

レジ打ち少女とサラリーマン

総文字数/5,381

恋愛(その他)24ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
俺がよく行くスーパーのレジの子に、惚れちゃいました。 私のレジによく並ぶお兄さんは、ちょっと変わってるけど、いい人です。 二人の、小さな恋の話。
眠れない君へ、提灯を贈る。

総文字数/2,162

その他16ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「よるなんて、だいきらい」 妹が、泣いてたら。 「―――僕が、力になるから。夜を無くすなんて、無理だけど」 五つ離れたきょうだいの話。 2010年5月30日、完結しました。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop