掟破りの王子様
ガシャン

音と同時にブランコが大きく揺れた。

私の両端に足を置き、立ち漕ぎを始める理一くん。

「ひゃ…」

思った以上に高くて、思わず声が出た。

「姫梨、見て」

そう言われて顔を上げると

赤い夕日が見えた。

体が浮いたようだった。

赤は人をおかしくさせるっていうのは本当かもしれない。
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