掟破りの王子様
「なーに?」

「…姫梨、聞いて?」

「…うん」

私の変化に気付いたのか、もう一度呼ばれた。

視界は揺れる。

夕日が遠ざかって、近づいて。

風が、吹いた。

「俺ら、別れよう」

今までで一番高く、ブランコが上がった。

「…はい」

分かってたよ。

いつかこうなる事くらい。

だって…
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