豆とニンジン

その男、塾講師

「えぇ!?私、アオイちゃんとクラス離れちゃうの~!?」
 
 アサギの声が、生徒で込み合う塾の廊下にこだまする。

 てか声、でかすぎだろ…
 何人かこっちチラチラ見てるし。

「ああ、そうだな。仕方ないだろ?」
と、俺は言ったが、アサギはションボリしている。

 アサギは、昨日一緒に遊んだ時に買った、薄いピンクのチェニックを着ている。
 これを買った昨日は、ずいぶんはしゃいでたのにな。

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