私の好きな人
卒業
「ねぇ、明日卒業式だよ!?信じられる?」


机をバンっと叩きながら歩が言った。


「そうだねぇ………信じられる。」



冷たくさらりと言い返すと歩は、ほっぺを膨らましながら、顔を近付けてきた。


「かわいくない…もっとさー、こうー『ホント信じられないよね〜!』とか、言わないわけ??」


「言わないねぇ…。大体が一刻も早く卒業したいもん。」

「うわ〜ないわ〜」



頭を抱えて私の目の前で首を振る歩の後ろには、担任が立ってため息をついていた。



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