漆黒の眼―死神の契約―

転校生

(今日も変なモノが話しかけてきませんよーに!!)

朝、学校へ行く前にいつものように父の仏壇の前で手を合わせる。


私の父は私が物事つかないうちに病気で亡くなったらしい。


そして私を女手一つで育ててくれた元気な母は、5年前突然失踪した…



このように言うと孤独な少女に見えるかもしれないが、親戚の人たちも親切にしてくれるし私なりに平和に暮らしている。

ただし平凡ではない。


・・
彼らがいるからだ。


彼らというのは一般的な霊だけのことではなく...


「柚葉、今日の供物、少し少なくないか」

いつの間にか木魚の隣にちょこんと黒猫と白猫が座っていた。


彼らは母の失踪と同時に家に住み着くようになった霊だ。黒猫が雄のタマ、白猫が雌のユキ。
ほんとは他に名前があるらしいが面倒なのでこの名前になった。


「こら、無視するでない、柚葉!!」

タマが畳をパシパシ叩いている。


(あなたに食べさせるために置いてるんじゃないんです!)


何故だか知らないが、霊とは頭の中で会話ができる。いや、正確に言うと、彼らは普通にしゃべっているのだが、私は頭に言葉を思い浮かべるだけで相手に通じる。


「全く、我らのありがたみも知らずこの小娘は」


タマたちは『我らはおぬしの祖父に頼まれて来てやっているのだ』とふざけたことを言っている。

彼らの話しによると、私の母方の祖父も生前霊を見ることができたらしく、今では霊界の重鎮であるとかないとか。




絶対嘘だ。



「柚さん、今日は災厄の相がでております。気をつけてくださいね」

ユキが私の膝に前足を置いて言った。
ユキの予言はほぼ必ず的中する。
この間
『水難の相がでている』と言われた日は、土手で転んで川に転がり落ちた。


(分かった。ありがとうユキ。じゃあいってきます)


そして私は家を出た。


タマがまだ何かぶつくさ言っていたが、そんなの無視だ。




それが私の平凡じゃないけど平和な日常。




< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop