歌詞集〜路端で咲く詩〜
思い出の種



涙こらえなくて良いよ
素直な君で居て
明日は咲くのかな
思い出 芽吹くかな




別れの季節の足音が
雪解けの音に混じります
臆病な僕ら目を瞑るけど
余計に耳に響くんだ

笑い合った大切な友
叱り愛してくれた先生も
一緒に泣いた君との日々
気付けばもう思い出なんだね


掛け替えのない出会いも
幾つも重ねれば
僕らはそんな大事さも
忘れてしまえるの

そうしてようやく
気付いた時には別れはもう
すぐそこまで迫っていて
僕らは俯く様に
瞳を逸らした


涙こらえなくて良いよ
この気持ち忘れないで
明けない悲しみはないから
前を向いて泣くんだよ

零れた雫がほら
大地に染み込んで
思い出が育つから




立ち止まり空を見上げると
悲しいくらいに美しい青
音無しの世界に響き渡る鼓動が
時の移ろいを告げる


アルバムめくり思い出し
僕は静かに笑みをこぼしたよ
出会って笑い合って
当たり前に思えてきて

別れに涙あふれたら
大地がそれを飲み込んで
新たな出会いを芽吹かせる
こうして僕らは生きてきたんだ
そうして僕らは生きてゆくんだ



涙の雨が止んだよ
笑顔の陽が昇る
「悲しい別れ」はきっと
「終わり」なんかじゃないから

涙の通った路を
たまに振り返ると
笑える時も来るはずだから


涙こらえなくて良いから
希望は捨てないで
咲いた思い出の花が
出会いを誘うから
不安にならないでね




別れの数と同じだけの
出会いがあるかは
分からないけど……



それでも僕ら歩こうよ
泣いたり笑ったり
いつでも前を見つめて
「出会い」「別れ」を逃さぬ様に

たまにちょっと歩みを止めて
いつか思い出咲かす
種を蒔いて行こう
そして最期振り返る
綺麗な華の路





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