楽園の姫君


『……なんで?』


「さっきも言った通り、他の奴には見せたくない、っていうのがひとつ。
あと、アナリは魔法が使えないから、危ないっていうのもあるかな。

だからこの城で俺の側にいて、一生俺を癒してね?」

最後はとびっきりの笑顔だ。


そんなに危ないものなのだろうか、とは思うけれど、その顔を見ると何も言えなくなってしまう。

けれどまぁ、ラナシュが言うのだから、そうなのだろう。


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