セツナイ恋愛短編集―涙と絆創膏―



「いらっしゃいませ!」


私は
彼のカフェで
アルバイトをはじめた



「お待たせ致しました

ミルクティーのお客様」

ゴト、と
グラスを置くと
女の子から歓声が
あがる


「ここのミルクティー

氷が白い~!」


ごゆっくり、どうぞ
と私は微笑む



私だけの
スペシャルミルクティーは


みんなの
スペシャル、になった



いいんだ、
私には



信じられるものが
できたから



「休憩の時間だよ
ほら、ミルクティー」



彼は
私が休憩に入る時

必ずミルクティーを作ってくれる


「ありがとう」


飛び付く私に
苦笑する彼



そんな

午後

6時。







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