嘘吐き


10分ほど経つと、涼が料理を運んできた。


「おまたせ。
勝手に冷蔵庫あさってごめんね。
昨日からろくに食べてなかったから」


目の前に出されたのは…


オムライス。



「朝からオムライス?」


「いいじゃん、もう昼だし。
俺オムライスって食物の中で一番好き!」


とても嬉しそうに言うので、おもわず吹き出してしまった。


「思考だけは幼いのね」


「うるさいなぁ、早く食べてよ」



スプーンに少しだけ掬い、口に入れてみる。



あ…おいしい



「どう?」


「まあまあかなぁ」


少しだけ嘘を吐いた。


この嘘をきっかけに、私はいつものペースを取り戻してしまったのだった…

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