嘘吐き


やっと涙が止んでくれた。


「泣きやんだ?」


「うん…」



そう言うと、抱き締める力を弱め、顔を見つめられた。


「泣いた顔もかわいいじゃん」


「そういうのいらないから」


照れ隠しに可愛くない言葉しか出てこない。

けど本当の気持ちはお見通しなのかな?
それなら、たまには素直になるのも悪くないと思った。


「涼、昨日はごめんね。もう、何にもしないよ」


「え?」


すごく間抜けな顔をして驚いている。


「正確に言えば、君にはひどいことできないかも。きれいで可愛すぎて。私のこと見ようとしてくれてるから」


たちまち涼の顔が明るくなる。


「何それ、嬉しいんですけど」


にやけるのを必死にこらえてるのがよく伝わってきた。


「涼、にやけてる」


「うるさい」


そう言って笑い合った。


こうやってからかって笑えるのって、すごく楽しい。
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