愛憎友達
和ヱ子さんは紙とペンをしまうと、嬉しそうに笑って言った。

「遠山さんは和飛の彼女?」

「あ……いえ……。ただの友達です。親しくさせてもらってます」

「俺が彼氏候補なの。朝葉は将来俺の嫁になるんだよ」

よよよよ嫁さんって……!!

あまりの爆弾発言に、朝葉の思考回路は一瞬にして停止してしまった。

和ヱ子さんの前でどうどうと言えるのは自信があるからなのだろうか。

朝葉の気持ちを無視しまくっている。

「否定しないの……?」

何も言わない朝葉の顔を和飛が覗き込む。

それに気づいた朝葉はとっさに顔を背けた。
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