聖男子マリア様 番外編  俺様天使奔走中につき
「だって、元々はミカちゃんが悪いと思うよー」


は?

こっちのせいだって言うのか?



「ミカちゃんが、マリア君を苛めすぎるから。なんか迷っているみたいなんだよねー」


って。

迷ってる?


「うん。迷ってる。ほら?」


ガブリエルはそう言って、どこからか取り出したのか、手のひらサイズの水晶玉を投げてよこした。

「それでずっと、マリア君の魂を監視してました。なんか途中でフラッていなくなった時はもう、ほんとにびっくりしたんだけどね。ま、そのあたりはミカちゃんのがよく知ってるでしょ?」


色とりどり、咲き乱れる花畑に一人、立っているアイツが映っている。


「三途の河岸で、何やってるんだ?」


腕組みしたり。
にやけたり。
頭思いっきり掻いたり。
座り込んだり。
万歳したり。


なんだ?
ネジ飛んでる。

っていうか、一人でほんとに何をやってるんだ、このバカは。



「面白いから見てたんだけどさ。対岸、見て。餓鬼が集まりだした」
< 104 / 129 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop