Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「どうしたの?いきなり携帯なんか出して。篤さんから電話でもきたん?」
「何言ってんのよ。よーく見て。麻里って携帯の電源切ること無いよね?」
「うん、無いけど…」
莉奈はやっぱりといった表情で煙草に火を付けて煙りをゆっくり吐き出した。
莉奈の発信履歴にはあたしの名前がずらりとならんでいて日付は誕生日の夜――。
剛とホテルに泊まった日だった。
あたしは慌てて自分の携帯を開きその日の着信履歴を探ったが莉奈の名前は何処にも無かった。
「あの日ね、篤さんから電話があったの。颯斗さんが麻里の誕生日だから何度も電話するけど繋がらないって」
「お兄ちゃんが…」
もう一度携帯を確認したが何度見ても着信履歴にお兄ちゃんの名前は無かった。
「麻里から誕生祝いで剛君と会う事、聞いてたから”彼氏とラブラブ中だと思います”って篤さんに言ったら納得してたけど…あたしは納得できなかったんだよね」
「って事は、誰かがあたしの携帯触ったんだよね」
莉奈がゆっくり首を縦に振る ―。
一体誰が……?
日付を誕生日に戻しあの日の事を細かく思い出した―。