Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「麻里、今夜あたしの家に来ない?お爺ちゃんがいるけど」
「え?いいの?」
莉奈が小さく何度も首を縦に振る―。
仕事を終えると剛は珍しく迎えには来ていなかった。
どうせ大量の酒でも浴びて爆睡しているのだろうと思った。
今日という日を逃したら二度と剛から離れられないと思ったあたしは莉奈の指示に従った。
夜桜の雪を浴びながら足早にタクシーに乗り込み緊張が一気に解けて莉奈と抱き合い喜んだ。
飲み屋街を抜けると以前見かけた風景がそこにはあった。
外国人とチンピラが何やら怪しい動きをしている。
「あいつらまたシャブの売買してる、警察は何してんだろうね。今白い粉みたいなの見えたよね」
莉奈が耳元で呟く―。
そして莉奈と同時に気付いてしまった。
「あれ…剛だ…」