Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜


どのくらい抱き合っていただろうか…―。


やがて周りは明るくなり小鳥の囀りが聞こえ静まり返っていた街も徐々に賑やかになってきた。


そして、赤色に点滅する車が何台も公園に到着し、あたしの大切なもの全てを奪っていった。


翔太は一命は取り止めたものの重傷で救急車で運ばれお兄ちゃんとあたしは別々のパトカーに乗せられた。



「麻里が二十歳になったら必ず迎えに行くからそれまで待っとけ。約束するよ。俺はいつでも麻里のそばにいる。これは兄弟の証だ。麻里が持ってろ」



パトカーに乗る前にお兄ちゃんが渡したのは産まれた記念に両親が買ってくれたピンキー指輪だった。


お互いの誕生石が埋め込まれている小さな指輪は両親が唯一あたし達に残した家族の絆だった。


成長するにつれ指に入らなくり施設の先生が”兄弟でお揃いだなんて素敵ね”と言いながらお兄ちゃんとあたしの指輪をネックレスに通してくれた。


肌身離さず付けていた両親の形見でもあるあたしとお兄ちゃんの宝物だった。














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