Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
〜第十一章〜 果たされた約束


「麻里退院おめでとう♪」


久しぶりのAngelに笑いが飛び交う。


篤さん率いる金田組とお兄ちゃん率いる宮滝組とが盛大に祝ってくれた。


とは言っても、周りにはスーツ姿の怖い顔をしたお兄さん方がズラリと並びお酒が上手く喉を通らなかった。


「ねぇ、これ見て」


莉奈が嬉しそうに右手を翳しす。


腕にはお父さんが買ってくれたお揃いのブレスレット…。


そして、よく見ると薬指に眩しいくらい輝くリングが眼中に入ってきた。


「これ…婚約指輪?」


「ピンポーン♪当たり♪」


「へぇ?誰に貰ったの?」


拍子抜けた顔で莉奈があたしの頬を摘む。


「誰って、篤さんに決まってるやん!ほんとに麻里は鈍いんだから」


「篤さんって…あの?」


白のスーツに身を包み、舎弟達に囲まれ酒を飲む篤さんを指差す。


「そうよ。あたしね極道の妻になるの!腹決めたんだ。おじいちゃんも篤さんには恩があるからすぐに承諾してくれてさ。職業が極道とは言ってないけどね」


キラキラ輝く手を見つめながら莉奈の八重歯が光る。









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