Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜


黒いスーツを身に纏い、サングラスをかけ四人ほどの舎弟を連れた男の人が笑顔で手を振っていた。


「おぉ〜兄弟、元気だったか?」


「あぁ。親父さんに挨拶してくるわ」


ハヤトと名乗る男は会長に深々と頭を下げ、あたし達に”じゃあ、みんな頑張れよ”と言い残し篤さんと店を出て行った。



お兄ちゃんかと思った…。



あの時よりも背は伸びていたが声も顔の輪郭も全てあたしの記憶に鮮明に残っているお兄ちゃんだった。



でも、中国に居たって言ってたし、あたしの誕生日にお兄ちゃんから毎年届くプレゼントは日本から……。


やっぱりあたしの勘違いだよね。


お兄ちゃんがヤクザなんて…あたし何考えてたんだろ。


きっとお兄ちゃんは日本のどこかにいて、あたしの二十歳の誕生日がくるのを楽しみに待っているに決まってる―。







でも、この時から兄の影がチラチラと見え始めていた―――。

















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