いとしのかずん

シーン7

――♪♪♪♪♪♪♪♪~

俺のほかには誰もいないリビングの上で、ピンク色の携帯から今はやりのJポップが流れている。数秒で切れる設定にしてある俺とはちがって、携帯からはワンコーラスほどの長さの曲が、延々と鳴り続けている。いわゆる、着歌フル、というやつであろうか。これじゃバッテリーの減りも早いのではなかろうか、などといらぬお世話の一つも焼きたくなってしまう。ボリュームも大きく設定してあるように思われ、それがまたテーブルの上においてあるもんだから、反響するのか、けっこう響く。テレビの音声もかき消される始末で、迷惑なこと、このうえない。

「たく……携帯するから携帯電話つううんだろが……」

そう、ぶつくさとつぶやいていると、ようやく着信音が途絶えた。
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