俺の彼女
辺りが薄暗くなる




俺はバイクのエンジンをかけた





「じゃね。」


ギアに足をかけた時
小さな猫のように高い声が聞こえた気がした




「え?」



エンジン音がうるさい中
愛梨を見る



「また…来てくれますか?」

まっすぐ大きな猫のように潤んだ瞳

今度はハッキリ聞こえたんだ




今まで愛梨から俺を見つめるなんて…

なかったのに




だから


凄く



凄く嬉しかった




「たぶんね…。」



スロットルを回して
バイクはゆっくり走り出す


去り際に
愛梨が嬉しそうにハニカムのが見えた


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