俺の彼女
昼休み
お決まりのベンチに寝転ぶ


あの日から3日

愛梨からのメールは少しずつ回数が増えていた


もちろん
敬語はない



「芹澤?」


田牧の声
どうして俺を寝かせてくれないんだ?


とりあえず
無視


「寝ながらニヤけてるとホントにキモいよ?」


あれ?
俺…ニヤけてた?!

反射的に目を開けた



「うっせーし。」


俺の言葉を聞くか聞かないかのうちに


隣にズカズカと座る


はぁ

仕方なく起きた


「この前のデートはどうだった?」


ニヤニヤしてる顔がグイッと近づいた


「顔近い。

別に…普通だけど。」



「ホントか?!
にしてはここ最近なんか機嫌いいじゃん。」


「いや、普通だし。」


遠くでばか騒ぎしてる奴等の声が聞こえる


「ふーん…。
ってかさ、合コン行かね?」



「死ね。バカ。」


桜女子との合コンから約1ヶ月

本当に…田牧の性欲は国宝ものだよ


「ひっでぇなぁ。
頼むよ。人数足りねぇんだ!ただ、座ってるだけでいいから。」



必死になって頼まれれば
頼まれるほど

呆れてしまって
行く気が消滅していく


「わりぃ。マジに合コンは無理。

俺、今はアイツしか興味ないから。」


真面目に答えた俺に驚く田牧



でも
事実、俺は愛梨しか目に入らない


他の女になんか興味ない



「そっか…じゃぁ、仕方ねーな。
悪かったよ。」



小さなため息を残して
田牧は校舎に戻っていった


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