繭(まゆ)
今からほんの三週間前。

私は、確かに私だった。


・・・・・・


もう少し、分かりやすくいうと・・・・・・ほぼ真っ白な状態で産まれてきて、年月を経るにつれ、様々な事を覚えて、成長し、

やがて優しい男の人と結婚し、もうすぐ赤ちゃんが産まれる。


端から見ても、自分としても、全く何の違和感もない、

「フナハシサワコ」という唯一無二の存在だった。



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