一つの物語
朝のチャイムが鳴り、担任の田口先生が、
「みんな、おはよう。」
これも、いつもと同じだった。

「今日は、転校生を紹介するぞ。」

教室がざわついた。
僕も、いつもと違うことに、目を向けた。

「よし、入れ。」

教室のドアが開いた。(ガラガラ)

そして、とてもかわいらしい女子が入ってきた。

(普通に、かわいいじゃん)

その転校生が、そのかわいい姿に合うような声で、
「はじめまして、新潟の学校から転校してきました。佐々木 左野香(ササキ サヤカ)です。よろしくお願いします。」

田口先生が、
「佐々木の席は、一番後ろの鈴木一歩の隣だ。じゃ~、連絡始めるぞ。」

僕の隣に来た、佐々木さん??は、その長い髪を耳のあたりでおさえて
「よろしくね。一歩君。」

「よろしく、佐々木さん。」

「別に、名字じゃなくていいよ。左野香でいいよ。」

「わかったよ。左野香さん。」

(へ~、いたって普通じゃん。でも、かわいいなー、)

「あの~、一歩君??」

「なに?!左野香さん。」
「まだ、教科書ないから、見せてもらってもいい??」

「え!!別に、いいけど。」

「ありがとう。」

かわいらしい笑顔で、机を合わせて、僕は、一時間目に使う教科書を机の間に置いた。

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