昭和お笑い暗黒史────戦艦「大阪」解体大作戦


ズズズズズズズズズズ………………!!!

小刻みだった振動が、徐々に、強く、大きくなってゆく──!

艦橋が、甲板が、高射砲が、煙突が、外装が…………再び、在りし日の勇姿を取り戻さんと、その身を覆う錆と埃を払い落としていた。

まるで、卵から孵化した雛鳥が、体についた殻を払うように───!

そして、すっかり元の偉容を取り戻した戦艦・大阪の巨体が、少しずつ、少しずつ、宙に浮き始め────、

「…………って、オイ?!空飛ぶやなんて、聞いてないで!!」

「当たり前だよ。聞かれてないから教えなかっただけさ。」

「いや、そーゆー事はあらかじめちゃんと説明しとくべきやろがっ!!」

俺とオッサンの不毛なやりとりの間にも、『大阪』は徐々に高度を上げつつある。

そして、警告音の響き渡る中、この空洞の天井部分がゆっくりと左右に割れていく。

その、出現場所が、何と────!





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