36.8℃の微熱。
 
あぁ〜、なるほどねぇ。

ユカ様がバカザルなんて言うものだから、おぼろげな記憶の中のサトルさん、猿顔に思えてきたよ。

・・・・って、違う違う。


「ヒドいことって? 場合によっちゃ殴りに行くよ!あたし!!」


シュッシュッ!!と胸の前で小さくシャドウボクシングをしながら、ユカ様の反応を窺う。

その上目遣いで睨むのやめてくれないかなぁ、恐ろしいよ・・・・と、内心、冷や汗ダラダラで。

そうすると「はああぁぁぁ〜」と盛大にため息をついたユカ様。


「気持ちはありがたいんだけど、もう殴っちゃったからいい。てか聞いてくれる!? 茜ちゃん!!」

「ハハハ、ハイッ!!」

「あのねっ───・・!!」


と、恐ろしいことをサラリと言ってのけ、これまた恐ろしい顔でサトルさんのことを話しはじめた。

殴りに行くって9割冗談だったんだけど・・・・まさか本当に殴っていたとは驚き桃の木なんとかの木。

・・・・うん、古いし、うろ覚えなら最初から言わなきゃいいね。

ドンマイ、あたし。





 

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