36.8℃の微熱。
 
なんて。

そんなふうに思うのは自由だからいいよね? 先生。

諦めた、もう好きじゃない。

この1ヶ月、何度も自分に言い聞かせてきたけど、そんな短い期間で気持ちを切り替えられるほど軽い“好き”じゃなかったもん。


いつになるかは分からない、ずっと引きずってしまうかもしれない・・・・だけど必ず“好きだった”にしてみせるから。

それまでは、ね。


───キーン コーン・・・・。


そんなことを思っているうちに終業のチャイムが鳴ってしまった。

やれやれとみんなが一斉に帰る準備を始める中、あたしだけは毎度のことながら「あ」と固まる。

もぅ。

コレだからあたしは・・・・。

ペンを持ってはいるんだけど、授業のノートは真っ白けっけ、先生が何を教えていたのかなんて全く頭に入っていなかった。


「コピー、取る?」

「・・・・うん。そうさせて」


これも最近、毎度のこと。

隣の席の子にノートを借りて、近くのコンビニでコピーを取るの。

塾のコピー機は、また先生に会ってしまうから使えっこない。
 

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