36.8℃の微熱。
 
「え、ばれてないとでも?」


ニヤリ。

言ったあとには、そんな笑顔も忘れずに付け加えて・・・・。


「え!! そんなに分かりやすかったの!? やだよぅ〜、それじゃあ王子が分からないわけないよ〜」

「いいじゃんいいじゃん。毎日2人でコソコソ何してんのかは聞かないけどさ、浅野君もまんざらでもない顔してたよ〜」


王子にもばれていたと分かって、なおかつ“まんざらでもない”と聞いてしまえば、頭を抱えずにはいられない。

ついでに、熱くなる顔を隠さずにはいられない。冷やしたい。


2人でコソコソとか、そんなの、もうどうでもいい気分だよ。

説明する気も起こらないよ・・・・。

そんな感じで「うぅぅ〜」と1人唸るあたしの肩に、慰めるようにユカちゃんが手を置く。


「恋しちゃったんだ、たぶん♪ 気づいてないけど〜♪」


・・・・って、ユカちゃん!!

春にぴったりな歌をハミングするのはさすがだけど、全然慰めになってなーいっ!!

そんなの歌われちゃったら明日からどう接したらいいか分かんないよ、王子と・・・・。
 

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