ヤキモチ焼き彼氏くん♪

【プレゼント】



「あつ……」


夏休みも中盤にさしかかり、
蒸し暑さも増すばかりのこの季節。

蝉がミンミンと鳴き、
その音が聞こえるたび暑苦しくなる。

でもそんな夏休みも今日は特別。

なんていったって今日は、
私の誕生日なんだもん♪


「お母さんー、
ちゃんと誕生日プレゼント用意してある?」


キッチンで昼食の準備をしているお母さんに、私はアイスを口に銜えながら問いかけてみる。


「してあるわよ、
とっておきプレゼントが♪」


そういうお母さんは妙にウキウキしている。
なんかいいことでもあったのかな?


「?」

なんでウキウキしているのか疑問に思ったけど、夜に楽しみは取っておこうと思ってあえて私は聞かなかった。


「ふぁー寝む…」


私は伸びをしてリビングの戸を開け、
階段を駆け上がる。

「?!」

自分の部屋に入るなり時計の時刻を確認する。
もう10時半?!

「やっやばぁあああああああ」

家の中に私の大きな声が響き渡る。

やばい、やばい!!
私はこのあと学校の友達との用事がある。

集合時間は11時。


私は猛スピードで、
おニューのワンピースに着替え、
階段をすごい音をたたせながらおりて、
靴をはいて家をでた。

「ちょっ鞠乃!!
大きな音たてないでよね!
お父さんと拓海が起きちゃうでしょ?!







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