MH
調整が不完全だったのか。

私は何度となくMHⅡに再調整を施した。

しかし結果は変わらず。

彼は時折迷いを見せる。

任務は確実に遂行する。

だが己の任務に対し、疑問を感じているようにも見えたのだ。

…まさかな。

機関で最高と言われる研究者の私が造り上げた改造人間が、そのような不具合を見せる筈がない。

恐らくは私の気のせいだ。

「いくぞ、MHⅡ」

私は地上数十メートルという高さの高層ビルから飛び降りる。

MHⅡもそれに続いた。

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