愛されて
「ただいま…」

私が家に帰ると…
リビングで、ママとおばあちゃんと井上先生が楽しそうに話していた。

私は井上先生が恐い。
みんな、みんな…
井上先生の本性を知らない。

「おかえりなさい」
ママが言った。

「今日、実力テストの結果返してもらったんでしょう?見せなさい…」

ママもおばあちゃんもいい成績だと期待しているみたいで…

「夏休みは井上先生に教えてもらったから…成績は上がっているはずよね…」

ママたちが成績表を開く。

「何?これ…」

ママたちが絶句した。

ママたちが絶句するのも当たり前だった。

だって…私の成績は。
平均75点で30番。

上がってないどころか下がっている。

「遥香、この成績は何よ?75点なんて…最低よ」
ママが言った。

「本当にどうして、遥香はこんなに頭が悪いんだろうね…家庭教師もつけたのに…」
おばあちゃんが深いため息をつく。

このおばあちゃんの深いため息が…
ママへの無言の文句。

それをママは分かっているから。
余計に腹を立てる…
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