愛されて
綾が部活を辞めて…
2週間がたった…

川本先生が…
『綾と作戦を考えなさい』
と言った練習試合があった。

私たちは負けた。

川本先生は…
「綾がいれば勝てたのにな…」
といった。
「これじゃあ、来月にある…市内大会は初戦敗退だ…」

川本先生の言葉に…
私はズキンとした。


部活の帰り道。
「勝ちたかったね…」
「うん…」

試合に負けてでも自分を守りたかったのに…
いざ、負けると。
悔しい…

「綾がいなくても…練習頑張って勝とうよ!!」
私は言ったけど…

私たちが頑張って練習しても…
試合には勝てない。

私たちが試合に勝つには綾の力が必要なのだ。

それを…
雪も麻美もよく分かっていた。

「あのさ…綾に部活に戻ってきてもらおうよ…」

「えっ!?」

「だって…やっぱり私、最後の試合ぐらいは勝ちたいもん。3年間、ずっと部活を頑張ってきたから…1回ぐらい勝ちたいもん…」

雪が言った…

私も、麻美も。
同じ気持ちだった…

3年生の7月で…
部活は引退しないといけない。
だけど、私たちは…
試合に1回も勝ったことがなかった。


「聖とかが見ていない前で話しかけてさ…」

「うん…」

「でも…都合よすぎじゃない?」

「そうだけど…」

私と雪と麻美は…
話し合って、綾に話すことにした。
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