最後の恋はアナタの隣で
瞼がジンワリと熱くなる。
喉の奥が詰まる感じがする。


体から一気に力が抜けて、フラフラと靴箱に寄り掛かると、涙が出そうな目をギュッと閉じ、小さな溜息を漏らした。


『どうした? 何かあったのか?』

「ううん……ただ帰りたくなっただけ……」

春樹さんに心配を掛けない為にいつも通り喋ろうとした声は、自分でも分かるくらい震えてた。


その事に電話越しの春樹さんが気付いたのかは分からないけど、


『……校門で待ってろ。迎えに行く』

「え……? いっ、いいよ! 自分で帰る!」

『もう洗面所に向かってる。顔洗ったら出るから待ってろ』

春樹さんはそう言って、一方的に電話を切ってしまった。


少しだけ気が重くなったけど、私は素直に校門で春樹さんが来るのを待つ事にした。
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