最後の恋はアナタの隣で

24.過去

「約束守ってくれた?」

雑炊が入った小さな茶碗をボックス席のテーブルの上に置きながら、千秋が優しく問い掛けてきた。


私は、胃がジンワリと熱くなるような芳ばしい香りを一息吸い込み、


「うん。ちゃんと守ったよ」

千秋の手からスプーンを受け取って、満面の笑みで答える。


「治るまで絶対に続けてね?」

「うん」

「あ、そうだ。優《ゆう》からちゃんとメール来たよ」

「本当? ていうか、顔見知りだった事に驚いたよ。宮沢ね、ちょっとだけ嫌がってた。千秋と連絡とるの」

「だろうね」

千秋はそう言って噴き出すように笑うと、


「あー、俺の過去が涼ちゃんにバレて、だいぶショック」

右手で頭を掻きながら、対面のソファに腰をおろした。
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